台風が、貧困を毎年つくり直す
貧困層ほど災害に弱い場所に住み、失うと戻せない。開発途上にある国の貧困対策は、防災と切り離せない。
最終更新 2026年8月20日
構造
フィリピンは世界でも有数の台風常襲国で、毎年多数の熱帯低気圧が接近・上陸する。ここで効いてくるのは、災害が貧困層に集中的に当たるという点。
- 安い土地は低地・海沿い・急斜面。つまり危ない場所。
- 家屋が簡素で、風水害で失われやすい。
- 保険がない。貯蓄もない。失ったら戻せない。
- 生計が農業・漁業だと、収入源そのものが流される。
その結果、少しずつ貯めたものが数年おきにゼロに戻る。貧困から抜け出す途中で何度も引き戻される構造になっている。
支援の側から見ると
災害直後の緊急支援には注目と資金が集まりやすい。一方で、その後の生計再建や、次に備える防災はニュースにならず資金が続かない。長く続けている団体ほど、この落差を埋める役割を担っている。
寄付のタイミングとして、災害報道のない時期の月額寄付は地味だが価値が高い。
金沢から見ると
能登半島地震を経験した地域に住んでいる人間として言えば、災害が生活基盤を奪う速さと、そこから戻すことの遅さは、国が違っても構造が似ている。この視点は現地で話を聞くときの入口になると考えている。
出典