学校には行っている。でも読めない
10歳のフィリピンの子どもの91%が、年齢相応の文章を読んで理解できない。インドネシア53%、タイ23%と比べても際立って高い。
最終更新 2026年8月20日
就学率では見えない
フィリピンの就学率自体は低くない。問題は通っているのに学べていないことにある。World Bank と UNESCO の推計では、10歳児の 91% が年齢相応の文章を読んで理解できない。同じ指標でインドネシアは53%、タイは23%。
これは「貧しいから学校に行けない」という理解の仕方が、この国では十分でないことを意味する。
貧困とのつながり
読み書きができないまま学年が上がると、途中で意味が分からなくなって中退する。中退すれば低賃金の不安定な仕事しか選べない。その子が親になったとき、同じことが繰り返される。学習の失敗が世代をまたいで貧困を固定する構造になっている。
低栄養も直接効いてくる。慢性的な低栄養(発育阻害)は身体だけでなく認知の発達にも影響し、就学前にすでに差がついている。
支援を選ぶときの視点
「学校を建てる」「文房具を配る」型の支援は分かりやすいが、この問題の核心には届きにくい。効きやすいのは:
- 就学前〜低学年の読みの支援(母語での読解を含む)
- 栄養と学習をセットで扱うプログラム
- 中退しかけた子を戻す個別の伴走
寄付先を選ぶときは、「何人に配ったか」ではなく「読めるようになったかを測っているか」を見ると差が出る。
出典
- World Bank / UNESCO 学習貧困(Learning Poverty)推計 2022(取得: 2026年8月20日)