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カンボジア

10年で貧困率が33.8%から17.8%へ、ほぼ半分になりました。 約200万人が貧困線を上回ったことになります。 ただしコロナ禍で流れは反転し、まだ元の水準には戻っていません。

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カンボジア

Kingdom of Cambodia

地域
東南アジア
首都
プノンペン
人口
約1,670万人2024年推計

10年で貧困率が半減した一方、出発点にクメール・ルージュ期の破壊があります。回復の途中にある国。

17.8%
国の貧困線を下回る人の割合
2019/20年
33.8%
10年前(2009年ごろ)の同じ数字
10年で約半分になった
約46万人
コロナ禍以降に貧困線を下回った人
2020年以降、率は2.8ポイント上昇
14.2%
別統計による2022年の値
World Bank。調査と定義により数字が動く

カンボジアの貧困率(国の貧困線)

10年で半減したあと、コロナ禍で反転しました。観光と建設の回復が遅れ、元の水準に戻りきっていません。調査年と定義が資料により異なるため、点をつなぐ線は目安としてご覧ください。

0 22.5 45 33.8% 2009年ごろ 17.8% 2019/20年 14.2% 2022年

いま分かっていること

減り方は速く、戻り方は遅い。カンボジアの数字からは、そう読めるかもしれません。 2009年ごろに3人に1人だった貧困が、2019/20年には6人に1人まで下がりました。 しかし2020年以降は率が2.8ポイント上がり、約46万人が貧困線を下回ったと推計されています。

背景として挙げられているのは、観光と建設の回復の遅れです。 この2つは雇用の受け皿が大きく、止まると影響が広く出ます。 世界的なエネルギーと食料の値上がりも重なりました。

この国が、どこから始めたのか

カンボジアの貧困を見るとき、出発点の低さを抜きには語れません。 1975年から1979年までの4年足らずで、人口の約4分の1が失われたからです。

クメール・ルージュ政権は都市の住民を農村へ強制移住させ、集団労働に就かせました。 処刑、飢餓、強制労働、病気により、150万人から300万人が死亡したと推計されています (推計の幅が大きく、資料により160万〜300万人とも書かれます)。

貧困という観点から見て大きかったのは、人が亡くなっただけでなく、 社会を動かす仕組みが丸ごと壊されたことかもしれません。

  • 学校が閉鎖され、教員が殺された。教科書も設備も破壊されました。教育は世代をまたいで効く資産なので、一度断たれると回復に数十年かかります。
  • 工場・大学・病院が閉鎖された。医師や技術者といった専門職の層が失われました。
  • 家族が引き裂かれた。子どもは労働班に組み込まれ、家族という単位そのものが解体されました。
  • 地雷が残った。政権崩壊後も内戦が続き、埋設された地雷は今も農地と移動を制限しています。

World Bank の研究は、この時期を経験した世代に長期的な影響が残っていることを指摘しています。 いま農村の子どもの半数が町に小学校を持たず、95%以上が中学校を持たないという状況は、 単なる予算不足ではなく、ゼロから作り直している途中だと理解したほうが正確です。

10年で貧困率を半減させた実績は、この出発点を踏まえると、もっと大きく見えます。 同時に、残っている17.8%が簡単には動かない理由も、ここにあります。

地雷は、いまも農地を使えなくしている

クメール・ルージュ期とその後の内戦で埋められた地雷は、 人が死ぬ危険であると同時に、土地が使えないという経済の問題でもあります。 畑に入れない、道が通せない、水路が引けない。農業で暮らす人にとっては、直接収入に響きます。

除去は着実に進んでいます。1992年からの33年間で 3,541平方キロメートルが 除去・再利用され、120万個を超える地雷と300万個以上の不発弾が処理されました。 25州のうち首都プノンペンを含む15の州・市が「地雷なし」を宣言しています。

被害者数の減り方は、その成果をいちばん分かりやすく示します。

地雷の被害者数(年あたり)

1990年代は毎年4,000人以上が死傷していました。この10年は年100人を下回ります。除去が進んだ結果ですが、まだゼロではありません。

1990年代 4,000人 毎年4,000人以上
この10年 100人 年100人未満

それでも終わっていません。2024年末時点で 3,917か所・424平方キロメートルが 汚染地域とされ、2025年7月には推計が524平方キロメートルに引き上げられました。 2025年末だった「地雷ゼロ」の目標は、2030年へ5年延期されています。 さらに2025年のタイ国境での戦闘により、6つの州で新たな調査と除去が必要になりました。

推計が増えることは、必ずしも悪化を意味しません。 調査が進んで、これまで把握できていなかった場所が見つかったという意味でもあります。 数字が上下したときは、実態が変わったのか、測り方が変わったのかを分けて読むとよいかもしれません。

数字の扱いについて

このページの数字は、資料によって食い違います。 国の貧困線での2019/20年は17.8%、World Bank の統計では2022年に14.2%。 調査の年も、貧困線の定義も違うので、そのまま並べて比較することはできません。 どちらかを正しいとするのではなく、両方を出典つきで置いておきます。

気候のリスク — 暑さが、いちばん大きな損失になる

カンボジアはメコン川とトンレサップ湖に支えられた、稲作と漁業の国です。 雨季の洪水と乾季の干ばつは、昔から暮らしの一部でした。気候変動は、その振れ幅を大きくします。

世界銀行の試算(2023年)では、対策をしなければ気候変動による損失は2050年に最大でGDPの約9%に達し、 2040年までに貧困率を最大6ポイント押し上げるおそれがあります。

意外なのは、損失の一番大きな原因が洪水ではなく暑さだという点です。 UNDP の分析では、2050年の経済的な損失の57%が、暑さで屋外の仕事ができなくなることによるものでした。 農作業や建設現場で日雇いで働く人ほど、まともに影響を受けます。

一方で、適応策(水の管理、暑さに強い作物、働く時間の見直しなど)で損失は少なくとも半分にできるとも試算されています。 備えることで、減らせる損失でもあります。

この国で活動している団体

カンボジアで活動する団体を、支援団体データベースに登録しました。 法人格、寄付金控除が使えるか、どの分野かで絞り込めます。

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