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ネパール
人口の20.27%が国の貧困線を下回っています。12年前の25.16%からは改善しました。 目を引くのは州による差で、最も高い州と低い州で約3倍の開きがあります。
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ネパール
Federal Democratic Republic of Nepal
- 地域
- 南アジア
- 首都
- カトマンズ
- 人口
- 約2,960万人2026年推計
内戦が始まった地域が、いまも最も貧しいです。戦争と貧困の関係が地図の上に残っている国。
州による差(2022/23年)
全国平均は20.27%。最も高いスドゥルパシチム州と最も低いガンダキ州では約3倍の開きがあります。
出典
- Nepal Living Standards Survey IV(2022/23)の報道(Kantipur)(取得: 2026年9月20日)
農村と都市の差(2022/23年)
農村部の貧困率は都市部より6ポイント以上高いです。
出典
- Nepal Living Standards Survey IV(2022/23)の報道(Kantipur)(取得: 2026年9月20日)
いま分かっていること
国全体で見れば改善しています。しかし州別に見ると、スドゥルパシチム州の34.16%と ガンダキ州の11.88%では、同じ国の話とは思えないほど差があります。 フィリピンで見たのと同じ構図です。平均は、いちばん厳しい場所を隠します。
もう一つの軸が、お金以外で測った貧困です。多次元貧困指数(教育、保健、生活水準の 複数の欠乏を合わせて測るもの)では、人口の20.1%、約596万人が該当します。 さらに20.2%が「陥りやすい層」とされていて、合わせると人口の4割が境界の上にいることになります。
いちばん貧しい州は、内戦が始まった場所でもある
州別の貧困率を見たとき、真っ先に気づいてほしいことがあります。 いま最も貧しい地域は、1996年に内戦が始まった地域とほぼ重なります。
1996年2月、ネパール共産党毛沢東主義派が王制打倒を掲げて武装闘争を始めました。 始まった場所は、西部のロルパ、ルクム、ジャジャルコット。 国内で最も開発から取り残されていた郡です。 この闘争は10年続き、1万7,000人以上が亡くなり、3,000件を超える強制失踪が記録されました。
なぜそこから始まったのか。研究が一致して挙げるのは、貧困そのものより 「取り残され方」です。耕作可能な土地が少なく、道路もなく、 中央政府の行政が届きにくい。その一方で、地域内外の特権層は豊かになっていく、という構図があったとされています。 カースト・民族による排除も重なりました。毛沢東主義派は、貧困層、女性、 ダリット(被差別カースト)、先住民族の声を代弁する立場を取ることで支持を広げています。
そして2022/23年、スドゥルパシチム州は34.16%、カルナリ州は26.69%。 内戦が終わって約20年たっても、同じ地域が最も貧しいままです。
ここで因果を単純化しないよう注意が要ります。 「内戦が貧困を生んだ」とも「貧困が内戦を生んだ」とも、この数字だけでは言い切れません。 少なくとも、中央政府の手が届いていなかった地域が、 武装闘争の出発点になり、いまも最も貧しいということは言えそうです。 戦争が終わっても、行き届いていないという構造のほうは、まだ続いているのかもしれません。
気候のリスク — 山がいちばん速く温まる
ネパールの気候リスクは、山から来ます。世界銀行(2022年)は、 山地は平地より速く温暖化しており、氷河と永久凍土が溶けることで地すべりの危険が高まっていると指摘しています。
ヒマラヤの氷河を調べている国際機関 ICIMOD の報告(2023年)では、 氷河が失われる速さは2010年代に、その前の10年より65%速くなりました。 排出がこのまま続けば、今世紀末までに氷河の体積の最大80%が失われるおそれがあります。
氷河が溶けてできた湖が決壊する「氷河湖決壊洪水」は、1977年以降ネパールで26回記録されています(UNDP)。 川の洪水で被害を受ける人も、世界銀行の試算では2010年の約15万7,000人から、2030年には約35万人へ倍以上に増えます。
上で見たとおり、ネパールで最も貧しいのはカルナリ州やスドゥルパシチム州のような、山がちな西部の州です。 最も貧しい地域と、気候のリスクが高い地域が重なっているのかもしれません。
この国で活動している団体
ネパールで活動する団体を、支援団体データベースに登録しました。 法人格、寄付金控除が使えるか、どの分野かで絞り込めます。
このページで使っている出典
- World Bank「Key Highlights: Country Climate and Development Report for Nepal」(2022年)(取得: 2026年10月9日)
- ICIMOD「Water, Ice, Society, and Ecosystems in the Hindu Kush Himalaya」(2023年6月)(取得: 2026年10月9日)
- UNDP「Protecting Livelihoods and Assets at Risk from Glacial Lake Outburst Floods (GLOFs) … in Nepal」(取得: 2026年10月9日)
- Nepal Living Standards Survey IV(2022/23)の報道(Kantipur)(取得: 2026年9月20日)
- Asian Development Bank「Nepal: Poverty」(取得: 2026年9月20日)
- Wikipedia「Nepalese Civil War」(英語版)(取得: 2026年9月21日)
- World Bank Economic Review「Hidden Costs of War: Evidence from Nepal’s Maoist Insurgency」(取得: 2026年9月21日)
- ISAS Working Paper「The Maoist Insurgency of Nepal」(取得: 2026年9月21日)
- UNDP「Multidimensional Poverty Index 2025」ネパール国別プロファイル(取得: 2026年9月20日)